9.「水」の話

「水(すい)」とは体の中の透明な液体成分で、汗、尿、胃液、リンパ液などに相当します。

 

水がバランスを崩し偏在した状態を「水毒(すいどく)」または「水滞(すいたい)」といいます。

 

水毒は、大きく全身型、皮膚関節型、胸内型、心下型の4つに分けられます。

 

全身型はむくみ、めまい、下痢など、皮膚関節型は関節の腫れやこわばりなど、胸内型は水様の痰や鼻汁など、心下型は食欲不振や嘔気などがみられます。

 

治療には、茯苓(ぶくりょう)、朮(じゅつ)、猪苓(ちょれい)、沢瀉(たくしゃ)など水を巡らせる生薬をが使われ、代表的な処方に、五苓散(ごれいさん)<全身型>、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)<皮膚関節型>、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)<胸内型>、茯苓飲(ぶくりょういん)<心下型>があります。