これで病気が減るわけない

我が国の国民医療費は年々増え続け、平成26年度は40兆円を超え、今も毎年1兆円ずつ増えています。

 

ピンとこないかもしれませんが、1兆円を1万円札で積むとエベレストより高く(0.1mm×100,000,000枚=1,000,000cm=10,000m=10km!)、40兆円の途方のなさがわかると思います。

 

なぜこのようなことが起こるかというと、医療業界が、患者という「顧客」に依存したビジネスになってしまっているからです。

 

その証拠に、新型コロナによる受診控えで病院が倒産するという現象が起きています。

 

でも、患者が減ると困る病院って…何かおかしくないでしょうか。

 

犯罪が減ると警察が困るでしょうか。

 

火事減ると消防が困るでしょうか。

 

製薬会社は、一つの新薬を開発するのに数百億円の費用がかかり、中にはヒットしない薬もあるため、その分まで回収するには莫大な利益を上げなければなりません。

 

新薬の治験は、製薬会社からの寄付金を財源に医療機関が行い、薬が世に出れば製薬会社には大金が、研究者には名声や昇進が待ちうけ、新しい治療法ができれば新しい「患者」が生まれます。

 

ここに何らかの意図が働くことは容易に想像でき、実際に売上高1位を記録したディオバンという降圧薬は、データ改ざんが発覚し逮捕者が出ました。

 

しかし、これは氷山の一角に過ぎないと思います。

 

私が駆け出しの医者の頃、上司に頼まれある新薬の治験のデータとりに協力したことがありますが、その過程をチェックする人はいませんでした。

 

つまり、データなどやろうと思えばどうにでもできるということです。

 

一方国では、社会保障費を抑えたい財務省と、診療報酬プラス改定を求める日本医師会+厚労省の攻防がありますが、日本医師会は与党へ年2億円の献金をする最大のスポンサーで、最終的に与党は医師会寄りの調整をせざるを得ない状況にあります。

 

医師会は、「医師を守ることが医療を守り患者を守ることになる」と言いますが、患者を病院に依存させることで業界を守っているというのが実情です。

  

患者を守るつもりで病気が増えているなら、これを医学の進歩と呼べるでしょうか。

 

医療関係者には医療の原点を問い直してほしいのと、患者さん側も病気を医者任せにせず、「自分の責任者は自分」という意識をもってほしいと切に思います。