6.「虚実」の話

「虚実」とは、生体に生じたバランスの歪みを修復しようとする反応の強さで、強い場合を実、弱い場合を虚と呼びます。

 

一般に、体力のある人に強い病邪が加わると強い闘病反応が起こって実の反応をし、体力のない人は虚の反応をします。

 

ただ、体力があっても病邪が弱ければ動員される体力も少ない分反応は虚となり、体力がなくても病邪が強ければ一時的に実の反応を呈することがあります。 

 

一般的に、実の反応を呈しやすい人を実証タイプ、虚の反応を呈しやすい人を虚証タイプと呼びます。

 

実証タイプでは、声が大きい、元気がある、動作が機敏、脈力・腹力が強いなどの傾向があり、虚証タイプでは、声が小さい、元気がない、動作が緩慢、脈力・腹力が弱いなどの傾向があります。