2.   漢方薬と民間薬の違い

漢方薬は、一般に複数の生薬(木の皮や根など天然物)の組み合わせでできており、配合される生薬の種類や量、比率で薬効が決まります。

 

例えれば漢方薬は料理で、生薬は素材です。処方は古典のルールに基づいて行います。

 

一方民間薬は、スギナやゲンノショウコなど多くは単一の素材が用いられ、経験的によいということで民間で受け継がれてきたものです。

 

生薬については、最も古い薬物学書「神農本草経」で、365種の生薬を、効能から上薬(元気を益す薬:長期間服用してよい)、中薬(病気を予防する薬:有毒にも無毒にもなる)、下薬(病気を治す薬:有毒で長期間服用できない)に分類しており、昔は「名医は未病を治す」、つまり上薬や中薬をうまく使い病気を未然に防げる医師が名医とされていました。

 

現代の“名医”とはだいぶ趣が違いますが、病気を治すことも防ぐことも同じように大切なことといえるかもしれません。