8.「血」の話

「血(けつ)」とは、体を巡っている赤色の液体成分で、血液にほぼ相当しますが、その働きも含めた概念です。

 

血がドロドロしてうまく巡らない状態を「瘀血(おけつ)」といい、月経時の不調、こりや痛み、しびれ、眼のクマ、痔や静脈瘤などが現れます。

 

瘀血の原因には過食、ストレス、運動不足などがあり、現代人にはとても関係の深い病態です。

 

治療には、牡丹皮(ぼたんぴ)、桃仁(とうにん)など血を巡らせる薬が使われ、代表的な処方に桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)があります。

 

一方、血の働きが衰え体の隅々まで行き渡らなくなった状態を「血虚(けっきょ)」といい、手足の冷え、肌のかさつき、抜け毛、眼精疲労、月経不順、不眠などが現れます。

 

治療は当帰(とうき)、川芎(せんきゅう)など温めながら血行を改善する生薬が使われ、代表的な処方に四物湯(しもつとう)があります。