7.「気」の話

「気」とは体を巡っているエネルギーで、目にはみえませんが、「気になる」「気が重い」など意識できるものです。

 

気には元々ある先天の気と、食事や呼吸から得る後天の気があります。

 

気が不足した状態を「気虚(ききょ)」といい、気力低下、倦怠感、食欲不振などがみられます。

 

治療には人参(にんじん)、黄耆(おうぎ)など滋養強壮の生薬が使われ、代表的な処方に補中益気湯(ほちゅうえっきとう)があります。

 

気がうまく巡らない状態を「気うつ」といい、気分の落ち込み、のどのつかえ、お腹のはりなどがみられます。

 

治療には厚朴(こうぼく)、蘇葉(そよう)など気を巡らせる生薬が使われ、代表的な処方に半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)があります。

 

上から下へ巡るべき気が逆流した状態を「気逆(きぎゃく)」といい、のぼせ、動悸、発作性発汗などがみられます。

 

治療は桂枝(けいし)、甘草(かんぞう)、牡蛎(ぼれい)など気を下ろし鎮める生薬が使われ、代表的な処方に桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)があります。